 日頃、診療していて感じることは平日、日中に診療所に来院する企業人特に、男性はごくまれであるということです。その殆どは明らかな異常がある時とか、症状が悪化して仕方なく周囲から促されたり、自分が一大決心してクリニックの門を叩くということが多いように思われます。医者嫌いや医師から自分の疾患を告げられるという怖さなどその要因があるかもしれません。現代社会の忙しさの中で、自分の身体を省みる時間的余裕さえないのかもしれません。
狭心症、急性心筋梗塞、脳卒中などの全身の動脈硬化を主体とする閉塞性血管病変は喫煙関連疾患、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満などの生活習慣病、メタボリック症候群のなれの果てに生じるものと従来は考えられていました。最近では比較的早期でもこうした致死的疾患が起こりうると考えられています。検診などによるがんの早期発見も重要です。こうした疾患は働き盛りの企業人やそのご家族の人生に大きく影響を及ぼすことになるのです。
禁煙、アルコール、がん・生活習慣病などの疾病の予防に関しては個々の家庭での取り組みだけでなくやはり企業内での保健活動、啓蒙が疾病発生の予防に大きな役割を果たすと思われます。自殺、ストレス疾患、生活習慣病などの社会化された問題に対しこれからは企業内での保健活動がさらに重要視されると思われます。
実際、2008年4月から特定健康診断、特定保健指導が始まり、各企業は保険者側に立って、従業員の健康診断・保健指導を行うことになりました。健康診断の内容も一部変更になり、LDL(悪玉コレステロール)や腹囲の測定が義務づけられる予定です。 |